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スイスで博士号を取得したScientistの徒然なるひとり言

博士進学

大公開!理系研究者の新卒初任給事情ー博士号保持者のキャリアスタート

今回は、理系研究者が博士号を取得した際の新卒初任給に焦点を当ててお話ししたいと思います。理系分野での博士号取得者がどのような給与を期待できるのか、興味をお持ちの方は必見です。足のうらの米粒( 取らないと気持ち悪いけれど、取っても食えない)と…

スイス留学での博士号取得: ヨーロッパの知識の宝庫を探索する旅

本記事はスイスで博士号を取得した筆者が「スイス留学での博士号取得: ヨーロッパの知識の宝庫を探索する旅」と題して項目ごとにスイス留学の魅力を伝えていこうと思います。以下の方々に役に立つ記事になっています。 スイス留学を視野に入れている 海外で…

Good bye!スイスでの最終出勤日 笑いと涙とクロワッサン

何事にも終わりは来ます。4年間のスイス生活も終わる日が来ました。PhDディフェンスが終わってからはデータ整理や引き継ぎ、担当機器の最終メインテナンスとマニュアル作成など、帰国するまでの2週間はかなり忙しく過ごしました。クリーンアップでは学部2…

【海外留学/海外勤務から本帰国】やった事、しなきゃいけなかった事(スイス編)

4年間のスイスでの生活を終えて我が国に帰還する時期が来ました。海外生活を確立した場所から移動するとき、目的地がましてや遠く離れた日本の場合にはやらなきゃいけない事がたくさんあります。本記事は私が本帰国に際して行った事を参考にいていただくため…

PhDディフェンス終了➔スイスで博士号取得しました!

スイスの大学院博士課程で有機合成化学を専攻し迎えた5回目の春。無事博士公聴会と試験を突破し、博士号を取得しました。経験をシェアできたらと思い本記事を執筆しました。 本記事は主に以下の方に向けて書いています。 スイスで博士号取得を目指している …

実験×育児で超多忙な博士課程学生が超絶効率よく400ページに及ぶ博士論文を書きあげた方法

本記事では博士論文を書くにあたっての経験談を綴ります。 主に以下の方に向けた内容です。 毎日時間に追われていて勉強時間が取れない 仕事の効率をアップさせたい 自分の時間を確保したい 最短で仕事をこなしたい 子育て中で勉強時間が不定期にしか取れな…

全合成とは行かない反応条件を見つけるもの

現在ある天然物の全合成を行なっています。 試薬会社から購入できる試薬を出発原料として自然が作り出した複雑かつ巧妙にデザインされた化合物(天然物)を組み立てて行くのが全合成と言います。 全合成をやっていると人間は2つのパターンに分けられる事が…

休日教授に会議室に呼ばれた話と学会で口頭発表してきた話

スイスは九月に入って急に気温が下がり、過ごしやすくなりましたね。快適に生活できるようになりましたが、季節の変わり目は体調を崩しやすいのでゆったり過ごしています。 さて、今回の記事のタイトルはなんだか不穏な雰囲気が漂う感じですが、全然そういっ…

残りの有給休暇日数が36日から21日に。契約違反‥?な件

スイスの博士学生は基本的に年間25日間の有給休暇が認められています。そのため夏休みや、冬休みに限らず、祝日が金曜日や月曜日になった際は一日か二日間休みを取って別の国に旅行に行く人も。 その有給休暇ですが、大学側の会議で年繰り越しができるという…

ポスター発表で申し込んだのになぁ

今年の夏は学会祭りになりそうです。 日本の研究室では少しでも結果が出ると教授が声をかけてくれて小さな学会にいくつも出させてもらったり、きちんとした結果が出た際はかなり大きな学会(国際学会含む)にも出向かせてくれました。 なので日本時代の3年間…

ベルギーで開催された学会に家族を連れて行ってきた

前回のブログでSCS travel awardを受賞したと書きました。 www.daringadvs.com その賞金を使ってスイス国外の学会に参加するのが条件でした。そこで僕はベルギーのナミュールで開催されたOrganic Synthesis Symposiumに参加する事に。6日間の開催でポスター…

博士課程最後のAnnual Meeting

こちらの博士課程ではAnnual Meetingといって、年に一度指導教官と副査の先生の前で研究報告をして議論します。自分は4月入学なので毎年4月頃に行っていました。しかし、今年は論文、実験、子育て、申請書類、就職活動等で、すっかり頭から研究報告が吹っ飛…

そんな単語知らん-impeccable-

impeccable この単語知ってますか?僕は今日まで聞いたこともありませんでした。 こちらのラボでは音楽をかけながら実験するのですが、その音楽を決めるDJがかなり重要です。 知らない曲ばかり流したり、聞こえないような音楽、うるさい音楽等を流すと曲を変…

連日の猛暑で試薬用冷蔵庫が壊れ試薬が爆発

バーゼルは連日の猛暑でぐっすり寝れない日が続いています。先週末は2日間続けて最高気温37度となかなかクレイジーな夏。 月曜日にラボに行くと何やらキツイ匂いがラボ全体に広がっていました。匂いの原因は試薬用冷蔵庫。4度設定で試薬を保存している冷蔵庫…

今年のスイス暑すぎん?

今年は欧州に熱波が来ているらしい。 今週末のバーゼルはなんと土日仲良く揃って37度まで上がってる。 先週の木曜日の午後、実は熱中症になりかけて早退する羽目に。自分の勤務する建物は昔からある建物でエアコンがない。スティーリングプレートの温度は31…

Roald Hoffmann教授の講演(2/2)

第一弾に続いてHoffmann教授の二つ目の講演を聞いてきました。化学科で最も大きい会場は超満員。PhDやポスドクは勿論のこと学部生、会社員まで押しかけました。 一回目の講演では芸術と化学の相違点に関してじっくり話していただきました。 二日目はがっつり…

進路が決定!

やっと進路が決まりました。 と言っても約2か月しか活動してませんが。 留学した理由が留学後に日本の技術力向上に少しでも貢献することだったのでその役割が果たせる所に就職が内定しました。 ポスドクという選択肢もないわけではないですが、今自分が興味…

原著論文がSynfactsにハイライト!そしてジャーナルのHot paperにも選出!

Synfactsってご存じですか?学会誌の名前なのですが化学系でないと読む機会は少ないと思います。 Synfactsは世界的に著名な有機合成化学に関する専門学術誌で、天然物化学、複素環化学、材料化学、金属触媒反応、有機金属合成、有機触媒反応、個体担持触媒合…

Chemistry Travel Award 2022のWinnerに選出!応募資格や必要書類は?

博士課程も最終学年に入り、子育てと両立しながらアクセル全開で手を動かしまくっているこの頃。 少しburnoutしそうな気配もありながらギリギリを攻めている。今夏に同じ欧州で開かれる大きめの学会にポスター発表しに行く予定もある。そのタイミングに合わ…

Roald Hoffmann 教授の講演(1/2)

Camille & Hentry Dreyfus Lectureshipの受賞講演でHoffmann教授の講演を聞いてきました。元々2020年に講演される予定だったのがコロナにより延期され年越しの招待講演となりました。Camille & Hentry Dreyfus はスイス生まれの科学者兄弟で、バーゼル大で学…

2報目と3報目がやっと出た

博士最終年のスタートラインに相応しく、研究論文が2つアクセプトされました。 思えばこちらに来て最初に出したのは、ロックダウン中に出したキラルリガンドに関する総説でした。 ノートパソコンとタブレットの小さい画面二つを使って、途中ケムドロのデー…

今年もシークレットサンタやりました

もう年末ですね 2022年も何かと変化が目まぐるしい年になりそうです。 クリスマスディナーはCOVIDのおかげで今年も流れました。 が、シークレットサンタは今年も行いました。 下に去年の記事を張っておきますね。 www.daringadvs.com www.daringadvs.com 余…

健康保険料控除してないの?しなきゃ損!スイスの健康保険料控除更新申請

本記事は以下の方々に向けて書いています。 スイスで健康保険料を控除なしで支払っている方 家族と一緒にスイスで暮らしている方 保険料控除申請の仕方を知りたい方 スイスの健康保険料はバカになりません。 最低でも大人一人月3〜4万円かかります。 保険…

スイス政府奨学金は3年間有効 でも4年目も手厚い補償で感激

本記事は以下の方に向けて書いています スイス政府奨学生を目指している方 所属課程修了に3年間以上必要で、4年目の奨学金を探している方 2019年からスイス政府奨学生なのですが、先日、本部からメールが届きました。 「あなたの奨学金は2022年8月をもって終…

TA最終日に学生からサプライズ

先日、PhD在籍中に行う義務があるTAの業務が全て終了しました。 4年間で500時間以上TAをする雇用契約を結んでいる為それは必須です。 といっても4年生時は就活したり、引き継ぎしたり、博士論文書いたりと他にやることがあるので大体の学生は3年生のうちに5…

オンライン学会で講演した件

こんにちは。 だんだん寒くなって来ましたね。 こちらは朝が一桁台でとても寒いです。 先ほど買い物に行って来ましたが今日からマフラーデビューしました。 さて、先月の事ですがオンラインで日本の学会に参加させていただきました。 九月上旬にメールを頂き…

コロナ禍でTAをした学生に大学から感謝の品

先日ラボで実験していたら一つ上の階にいるいつもは会わない秘書さんが来たのでなにかなーと思っていたらこれをもらいました。 学生の管理や実験の進歩状況の調整などコロナが始まる前までは気にかけなくてもよかったことに多大なるサポートをしてくれた学生…

2回目のAnnual meeting (年一の主査、副査、自分での研究発表)が終了

先週2回目のannual meetingが終わりました。 この1か月、勉強会の問題作成、雑誌会、annual meeting と怒涛の3連チャンがありましたが何とか乗り切りました。 annual meeting は自分のボスと自分、そして同化学科内のセカンドスーパーバイザーと行う年一回の…

2つ目のオートカラム導入で超絶効率化

こんにちは。 先日グループで2代目となるオートカラムが導入されました。 biotage HP オートカラムとはUV検出により化合物の有無と種類を観測し、自動的に化合物を分けてくれるカラムクロマトグラフィーのことです。 クラシカルなシリカカラムだとカラム管と…

実は一年間スイス化学会誌に毎月掲載されていた件

こんにちは。 ようやくあったかくなってきましたね。 先週末、いい天気だったのでバーゼル郊外にあるヴァルテンベルグ廃城に行ってきました。 細川卓哉さんのひかりの写真風な一枚 第二次世界大戦で破壊されたのち修復され、今はハイキングスポットとなって…