こんにちは。
先日グループで2代目となるオートカラムが導入されました。
オートカラムとはUV検出により化合物の有無と種類を観測し、自動的に化合物を分けてくれるカラムクロマトグラフィーのことです。
クラシカルなシリカカラムだとカラム管というガラス状のものを使うのが有機合成化学では一般的だと思われます。
一番のメリットは早いことです。超絶早いです。
しかも起動中はカラムの前にいる必要もありません。
NMRをチェックしたり、分液したりとほかのことができます。
僕はシリカカラム一本やるのにRf値が離れている場合なら約30分。
団子状だとゆっくりグラジエントをかけるので約一時間ほど掛けます。
オートカラムは大体一本10分あれば終わります。
以前より一番奥のラボに一代在って個人的に使っていた時もあるのですが、試験管用ラックが十分にないのと一番奥まで行くのが面倒なので(それくらい行きなさい)限られた人しか使っていませんでした。
駄菓子菓子!!、今週2代目をちょうどフロアの真ん中(僕のラボは一番手前なので前より近い!!)にあるラボに導入しました。
因みにどちらもbiotageのやつです。
そして二代目が入ったことによりシリカカラムをもうほとんどやらなくなりました。
企業ではもうメジャーらしいですね。効率重視です。
今までオートカラムを使っていた人たち以外の人が新しいほうを使い始めたり、空いているほうに行ったりとしていますが、渋滞になったことはまだありません。
ラック数も十分にあるのでストレスはありませんね。
最近ハマっているのはクルード量とTLCのRfを打ち込んで溶媒量とグラジエントをきめてもらう機能です。
あとはドライロードのほうが分けやすいみたいでセライトでやってます。
五グラム以上の場合も約10分ほどで終わるので自分でやるよりずっと早いですね。
1人1アカウントあってメルアドを登録しているのでカラムが終わるとPDFファイルが送られてきます。
UV検出ピークとどの試験管にどう分けたのかまで色で分かるので便利です。
ただ勿論デメリットというかもあります。
それは収率が下がります。感覚的には手より約10%くらいですかね。
ドライロードのあと溶媒でなすフラを洗って残存していた化合物も残らずアプライしますがオートカラムのチャージ過程ではそれができません。
なので一生懸命フラスコをスパチュラで引っ掻くわけですがそれでも取り切れないものはありますから。
僕たちの研究内容上0.2mmolで反応を仕掛けるのが一般的で、少ないと失った時の収量に影響する値が大きいのでそこはネックです。
僕的には原料合成のような沢山化合物がある場合はオートカラムでジャンジャンやりますが、1mmol以下なら手でやるのが結果的にいいかなと思います。
{追記}
後日Twitterでバイオタージ様から連絡があり、様々なロード方法があることを教えていただきました。有り難うございます。
直接インジェクションする方法とドライロードだけしか知りませんでしたが下の図のように化合物によって使い分けるのがよさそうですね。
ますますオートカラムは強い味方になりました。
こちらも英語版ですがご覧ください。
予算があるなら研究室にあってくれると強い味方ですね。
この導入によっておそらく「サラリー以上の働きができている」とラボメンは言っていますが、、どうでしょう。(笑)
精製時間を考えずにバンバン反応を仕込めるのは非常にうれしい限りです。
今回はこの辺で。
では。
|