こんにちは。
ようやくあったかくなってきましたね。
先週末、いい天気だったのでバーゼル郊外にあるヴァルテンベルグ廃城に行ってきました。
細川卓哉さんのひかりの写真風な一枚
第二次世界大戦で破壊されたのち修復され、今はハイキングスポットとなっています。
バーゼルには二年間住んでいますが、こんなところがあるとは知りませんでした。
結構いい感じのハイキングができてとても満足でした。
動画もどうぞ!
【スイス】ヴァルテンベルグ城/バーゼル郊外/Wartenberg/Basel
さて、皆さんは学会誌なるものをご存じでしょうか。
様々な学会がありますが、各々の学会が月に一回いろんなテーマで特集を組んで、日進月歩で進む研究の最先端を紹介する雑誌です。
日本で知っている奴だと日本化学会誌や有機合成化学協会誌、農芸化学会誌とかですかね。
勿論スイスにもあります。
その名もスイス化学会誌。
そのまんま。
こちらの大学に入るとスイス化学会にはなかば強制的に入らされます。
でも、会費はボス持ちなのでそりゃ入りますよね。
因みに学生は年間約50CHF、非学生は150CHFです。
余談ですがスイス化学会は何年か前までインパクトファクター(どれだけ引用されているのかの指標、高いほど価値がたかいと言われる)は1未満でした。
しかし、論文をそこから投稿し、優秀なものとして選ばれると賞を与えたりして投稿数を上げる努力をしてきました。
その結果今現在は2.309まで上がりました。
これって結構すごいことですよね。
今では卒業するまでに出す数報の論文のうち一つはスイス化学会に出すラボも増えてきています。
見習いたいところです。
日本でも日本の化学会に日本語ですんごい内容の論文を投稿してみんなで価値の高い雑誌に育て上げようという動きがあればいいのですが、業績目当てにアメリカ産の高インパクトファクターの雑誌に出してしまうのが現状ですかね。
話がそれました。
でですね。
そのスイス化学会誌には見開き2ページで四つの論文を約120文字で簡潔に説明したページがあります。
選ばれている論文はすべてスイスの研究室から最近発表されたもので、その論文の選定と学会誌中のアブストラクトはすべて学生がやっているのです。
実はわたくし一年間、約12回、その担当やり切りました👏👏
うちの研究室は’2019年から担当していたのですが、2020年も担当することになり2020年担当の学生4人のうちの一人として果敢に挑戦いたしました。
実際の仕事内容はというと、まず、月の末日までに、割り当てられたジャーナルの中からスイス発で、しかも六か月以内にハイライトしていない研究室発の論文を見つけます。
この時自分のやっていることとあまりにかけ離れていることだと読んでも全く理解できないか、理解するのにかなりの時間がかかるので注意でした。
そして2,3個絞ってボスに相談。
その後一つに絞り、論文の内容を約120字にまとめます。
簡潔に、でも具体的に、読みやすく。
大概の論文はアブストラクトがすでについていますが、それのコピペはもちろんNGでした。
たまーに何言ってるのかわからないやつもありますからね。
書き上げたアブストラクトをボスに見せて手直しいて、それを引用した教授に送って問題がないか確認してアブストラクトと一緒に載せたいちょっとしたコメントを頂戴して最後に体裁を整えて終わりです。
やってみると結構たいへんでした。
ボスが添削した文章を見ると「この人、まとめるのうまいなぁ」(かなりの上から目線(笑))と毎回関心しておりました。
また、分野が遠いものしか選択肢に上がらないときとかだと論文を理解するのが一苦労でした。
これをほぼ毎月、2020年の1月から2021年の1月まで一年間やり切りました。
今すぐに何か身についたかどうかはわかりませんが、堪える仕事だったので
何かにはなっていると思います。乞うご期待!!
二年間やったボスはもうやりたくないとベルン大学の教授にバトンタッチしました。
僕的には一年間、スイス(国が単位)の化学雑誌にのせるページを作成したのだから単位くらいくれてもいいともいますが、いまのところ何もないらしい。
一年間そのページを作成したのはうちのラボの5人ですよ!
まぁいいでしょう~。
いい経験でした。
僕の名前で検索かけるすると約12個、アブスト出てくると思います(笑)
貴重な体験をさせていただきましたね。
有難うございます。
今日はこんなところで。
最後まで読んでいただき有り難うございました。