今回は、理系研究者が博士号を取得した際の新卒初任給に焦点を当ててお話ししたいと思います。理系分野での博士号取得者がどのような給与を期待できるのか、興味をお持ちの方は必見です。足のうらの米粒( 取らないと気持ち悪いけれど、取っても食えない)と言われる日本の博士号取得者のキャリアスタートの初任給はずばり?
本記事は以下の方向けに書いています。
- 博士号ってなに?という方
- 博士に行く価値が知りたい方
- 新卒の給料に興味関心がある方
博士号の価値
個人的には理系の博士号は、深い専門知識と研究能力を証明するものとして非常に高い価値があると考えています。そのため、企業や研究機関は博士号取得者を重要なリソースとして捉え、高度な研究プロジェクトや専門的な業務に活用することが望ましいです。
博士号取得者が有しているものは、
- 自分で研究を推進する力
- 情報収集能力
- 情報処理能力
- 思考力
- ひらめき力
- えげつない精神力
- はんぱない忍耐力
など最高学位にふさわしいものばかり。
日本企業からの冷ややかな目線
そんなスーパーマン博士ですが、日本の企業からは嫌われていました。専門性が高く、一般的にプライドもたかい博士は企業からするとコントロールが効きにくく、扱いずらい存在として捉えられてきました。そのおかげで日本の博士は減少傾向に。学部生が増加傾向に対し、博士学生は横ばいです。どれだけ魅力的に映らないのかわかりますね。
人口が日本の半分の韓国が、博士号取得者数を上回っているので、異常な数値だと思います。
海外の博士取得者たち
私のバックグラウンドから知っていることを書くと、海外の博士号取得者は決まって
- 好待遇
- 高所得
ですね。私が博士号を取得したスイスでは年収1000万を超えるのが普通です。
それだけ海外の企業では博士を重要な存在として雇用しているのがうかがえます。
日本も近年は改善傾向
近年はようやく博士号取得者の重要性が再認識され、大企業やベンチャー企業などは積極的に博士を採用するようになっています。
しかしながら、以下のようにまだ企業側に足りない努力もあります。
- 博士号取得者に短期的な結果を求めすぎる
- 十分な投資(給料)をしない
- 成長機会を提供できない
新卒初任給の幅広さ
博士号取得者の新卒初任給は様々な要因によって左右されるのもまた事実。勿論ですが、所属する組織の規模や評価が大きな影響を与えます。大手企業や国際的な研究機関では、高い初任給が期待される一方で、中小企業や地方の研究機関では給与が低いことがあります。
研究分野の需要と給与
研究分野によっても初任給に差が生じます。例えば、人工知能やバイオテクノロジーのような急速に発展している分野では需要が高まっており、それに伴い初任給も高い水準になることがあります。製薬企業も平均値が高いです。
これに関してはこちらのブログでまとめてくださっています。
役職や職階の重要性
研究者が博士号を持っているだけでなく、その後の経験や職階も初任給に大きな影響を与えます。リーダーシップの要素が強いポジションや管理職への昇進が見込まれる場合、初任給はもちろんアップします。
地域による給与の違い
最後に、生活費の違いが影響を与えることも覚えておきましょう。都市部では給与が高くなる傾向がありますが、同時に生活費も高いため、総合的な収入と生活のバランスを考慮することが重要です。
私のケース
私のバックグラウンドは海外大学院で理学博士号を取得し、現在東北の日本企業で素材開発の研究をさせていただいています。妻(個人事業主)と子供(年少クラス)がいて、3人で2LDKの部屋に住んでいます。
以下に家計簿の一部を載せました。3人家族で月の固定費が約17万といったところ。
家賃 | ¥82,000 |
ガス | ¥4,430 |
電気 | ¥5,241 |
水道 | ¥4,866 |
食費 | ¥65,828 |
新卒一年目で手取りは固定費の倍以上いただいているので、問題なく生活できています。子供が小さいため残業するのも月5-10時間で、17時半には家にいます。
まとめ
以上が、理系研究者が博士号を取得した際の新卒初任給に関する一般的な傾向です。ただし、これはあくまで目安であり、具体的な給与は各組織や個人の状況によって異なります。自身のスキルや希望するキャリアパスを考え、複数の選択肢を検討することが重要で、自分が価値を最大化できる場所で働くのが重要だと思います。
これから日本では、博士号取得者がますます重要になってくるでしょう。高い専門性を身に付け、社会に還元できる機会が増えるといいですね。