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スイスで博士号を取得したScientistの徒然なるひとり言

私はあの頃宙ぶらりんでした~バーゼル生活~

こんにちは バーゼル博士です。

 

11月になりましたね。早いものです。サマータイムが終わり、日本との時差は8時間になりました。朝8時でもまだ暗いです。

 

私自身、去年の11月はまだ進路が決まっていませんでした。

研究室の同期は夏の終わりには皆、就職先がきまっていましたので、僕だけ宙ぶらりん状態だったのを覚えています。

 

去年の7月に面接に行った際に、次の4月に受け入れられるかはお金の問題が絡むから今の段階でイエスとは言えないといわれました。

ボスもしくは自分がグラントを取る必要があるってことです。

 

そこからいくつかの奨学金への応募準備が始まり、すべて無事期限内に郵送で応募しました。

 

いくつかといっても2つですが。

 

1つは日本の財団です。ここでは名前は伏せておきます。

もう1つはスイス政府奨学金でした。

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ボスからはお金のけりが付けばすぐに採用するといわれていました。

 

しかし、日本の財団の採択発表が11月、スイス政府奨学金採択発表が次年度の5月で、仮に11月に奨学金不採用となった場合、5月まで結果を待たなくてはいけない。

 

ただ、日本は4月から学期が始まります。元々、海外の博士課程に進めなかった場合、日本に残って博士を取る選択は私にはありませんでした。その時点でキッパリあきらめて次の年から就職するつもりでした。

 

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ボスからは内々定はもらっているようなもんだし、推薦状も書いてもらったし、自分なら受かるだろうと思っていました。

これで少し精神的にも安定して修論書けるかなと思っていた矢先の11月、不採用のメールをもらいましたね

 

精神的に不安定になったのを覚えています。

今の自分にある選択肢をすべて手帳に書きだし、最悪就活することになっても、所属がなかったり、プータローにならないためにどう転んでもいいように計画を立てました。なんせ周りに同じことをしている人が皆無で相談もできない、教授もこんな学生は育てたことがないらしく今思えば相当困らせたと思います。

 

そのころの手帳を見返すと、計画を立てるために大量に情報収集したメモや、最終的な計画が殴り書きで書いてありました。

 

「3月に日本企業への就活をはじめ、大学に博士後期課程学生もしくは研究員として籍を置きながら5月に採択が決まった時点で就活を止めて、9月からスイスで働く」と。

 

そのほかに当時の精神状態や周りに同じような状況の人が一人もいず相談することもできない、struggleしている心境が書かれていました。

 

大多数と違う道を選ぶのはこんな感じなんだと、正直、辛いなと思いました。

 

 

修士1年の10月から準備を始めて、すでに一年経過していました。

 

 

言い方が不適切なのは重々承知していますが、おとなしく企業に就職しよう、もう留学については忘れようと何度も思いました。

 

 

 

でも、心のどこかで今諦めたら絶対後悔するという思いはずっとありました。

取りあえず、前に進むしかない。

そうすれば何かが見えてくるし、心と頭の整理もつく、そう思うようにしてました。

 

12月の中旬、ボスからメールが来ました。

「大きなグラントに当たった。お金は工面できる。次の4月からおいで」

 

正直、メールを貰ったとき、喜びが100%だったかと聞かれれば否です。40%くらいでした。それくらい気持ちは就職に偏っていました。

辛い思いをするために生まれてきたわけじゃないので。

 

それからだんだん実感が湧いてきて、だんだん喜びが増えていきました。まぁ、当時の彼女(現、妻)と日本とスイスで離れるのも相当堪えましたけど。

フライト当日に母に「行きたくねーな」と言ったのは今では笑い話です。

 

また、フライトの30分前に予定より早くスイス政府奨学金の採択通知が来ました。

 

ここまで、状況が整ったって事はスイスにいきなさいって天から言われている感じがしました。

 

そのおかげで、今は毎日楽しくやっています。

英語も研究力も力がメキメキついているのが自分でもわかるくらいです。

 

あの時諦めなくてよかったとは言いません。

諦めていたら諦めていたらで、楽しい日本での生活が待っているだけですから。

 

でも、あの時少し踏ん張ってよかったとは思います。

今自分は1年前には何も想像がつかなかった毎日を送っています。

日々成長を実感できていますし、幸せです。

なるようになるもんですね。

 

では、今日はこんなところで。

 

Have a good day!