超人気ブログ 天下泰平 の主である滝沢泰平さん著の「宇宙学校 アースリングコミュニティ」を読了したのでレビューしました。

- 作者:滝沢 泰平
- 発売日: 2020/10/30
- メディア: 単行本
滝沢さんは八ヶ岳に移住し、柱を使わない円形の家、フラードームハウスに住み、暖房の自給、水の自給、さらには排泄物を嫌気性細菌と光合成細菌によって人間の生命情報が入った「宝の水」にする「あうんユニット」も使用しています。
それを土壌にまけば、土壌が浄化されイヤシロチになり、畑や田んぼにまけば活性水として作物を無農薬、無化学肥料で安全においしい家庭菜園ができるとか。
将来の暮らしに参考にしたい情報が盛りだくさんの本です。
ではお楽しみください。
本から得られるもの
アースリングコミュニティのアースリングとは「地球に住む者たち」という意味。
物質主義、拝金主義の時代から精神、魂主体の時代が始まっている今、我々人類は宇宙船地球号の舵を取る地球人によるコミュニティを形成する必要がある。
この惑星にいる誰もが地球の住人であり、それぞれの意識、魂らしく生きて調和する平和な世界を実現するために自分なりの立場でできることが必ずある。
著者のプロフィール
滝沢泰平(たきざわ たいへい)
1982年宮城県仙台市生まれ。「半農半X」を個人と企業へ普及させるために「やつは株式会社」を設立。
自給自足できる社会づくりを目指す。
月間100万アクセスのWEBサイト「天下泰平」ブログ執筆者。
本の概要
真の平和とは物質的平和ではなく、心の平和、魂の平和。
今の物質世界では物質を他人から奪い自分のものにする事、他人との競争に勝つことを幸せと定義される面がある。
それでは魂はすり減り、隔たりが生じ、軋轢が生まれる。
そんな負のエネルギーに満ちた現在の人類は地球をひとつの生命体としてみた場合、あるいは人間以外の生物から見た場合、地球をどんどん食いつぶしていくまるでウイルスのような存在であり、そんな人類がどんどん増え続けるのは大変な脅威。
このままでは人類は大浄化の対象となり、崩壊に向かって行ってしまう。
その一つの動きとして世界中、もちろん日本でも地震や火山の噴火を中心として自然災害には十分警戒しなければならない。
首都直下型地震は30年間で70%の確率で起こるといわれ、太陽の黒点活動からの統計調査では現在は「巨大地震」「金融危機」が極めて起こりやすい時期である。
ソーラーフラッシュも2030年頃に起こるといわれている。
そんな悲劇が起きた場合真っ先に大変な状況になるのは都会である。
なぜならすべてのものがお金で成り立っているから。
生きることすらお金で成り立っている都会では、お金の価値がなくなったとたん砂漠化する。
今の都会は一見すれば豊かなオアシス。でもそれは「お金さえあれば」という条件付き。
そのお金がもし使えなくなってしまったら・・
その反対にともすれば過疎化が進んでいるような田舎には潜在的に美しい空気、おいしい水、新鮮な食べ物など人が生きていくのに必要なものがいざというときはお金というツールを挟まなくても手に入れることができる。
もちろんお金は現代の文明を支える大切な柱だが、頼りすぎもよくない。
お金の価値がなくなると物が買えなくなるからだ。
現状の日本は世界からお金で食べ物を買っている。
生きることを買っているのだ。
お金がなくなり物流が止まると、日本は飢餓に苦しむ先進国になる。
特に東京は食料自給率1%以下。
自然災害なら被害にあっていないところから支援があるが、金融危機では国外も含めてどこからの支援もない。
それがもし何か月も続いたとしてら、備蓄は底をつく。
そこでそんな金融危機の状態でも食料の支援ができるコミュニティを作っておくことが重要である。
(著者は八ヶ岳をその雛型にして日本中に広げたいとしている)
だが、皆が皆田舎に移ってそういったコミュニティを作っていくのは大変である。
だから、気負いすぎず、一人一人にできること、例えば小さな家庭菜園をやってみるとか安心安全な国産のものを選んで購入するとかも素晴らしい取り組み。
著者らがやろうとしているのは自治体というコミュニティを育て、農業を支えること。
耕作放棄地はすべて自治体が管理して自然農を推奨する。余った農産物は市場などで地元住民に格安で還元提供する。などアイディアは堪えない。
これからはギブ&ギブの時代。
そのために自分が提供できるもの、必要とする助力を明確にしておくとマッチング(コミュニティに所属したい人が地域や興味のあること、実現したいビジョン、提供できることを登録しておくアプリも開発中)などで役に立つ。
泰平さんが暮らしに取り入れている循環生活
国産ヒノキのドームハウス
ドームハウスとは三角パネルを使った柱のない建物。
大黒柱も小柱も普通の柱も一切必要ない。
三角パネルがお互いに支えあうことで強度を保ち、その結果、構造物としては最も頑丈で強い建築方法として知られている。
お互いが支えあって、それがあらゆる構造物の中で最も強いことからまさに調和の時代の次なる世界において象徴的な建物。



メイソンリーヒーター
蓄熱レンガのストーブ本体が熱を蓄えて、その放射熱によって遠赤外線を生み出す。
ドームハウスは球体であるがゆえに、大気が対流し熱が家中を循環する。

バイオトイレ「あ・うんユニット」
微生物の液肥を使った水洗バイオトイレで、地下に埋設した二つの600リットルタンクにトイレから排水を流し込み、微生物ちゃんたちの餌にして分解してもらい、最後は紙までも含めた固形物を一切残さない完全分解で酵素水に変えるもの。
ブローワーで空気を送り込み、複合発酵状態を作る。
結果、紙までも分解するほど強力なエネルギーを生み出し、汚泥も残らず、汲み取りが不要な循環バイオトイレ。たった一日で汚水が酵素水に変わる。
それを家庭菜園に使って、できた野菜を食べてまたトイレに流して再び家庭菜園につかう。完璧な循環。

バクチャー
もともとその場にいる微生物を活性化させ、複合発酵の働きを起こし、微生物の持っている分解作用を急速に活性化させ、自然本来の姿へと戻していく。


濃縮植物活性液肥「ミネチット」
嶋西浅男博士の技術。
あらゆる環境問題がこのミネラル水だけで簡単に改善する。
ミネチットは作物の光合成力を20-40倍まで引き上げ、取り込まれたときの人体への影響も懸念される硝酸態チッソを速やかに解消する。
土壌改良であれば500倍希釈でよい。
大麻、ヘンプ(免許の取得を目指している)
日本ではまだ麻薬などと言っていますが、時代遅れ。
海外では医療や嗜好品、産業素材として認識されている。
大麻は現在の石油を中心とした地下資源文明から地上資源へ移行するために必要な代表的植物。エネルギーはもちろん衣食住、医療、はたまた現代技術によって5万種類以上にも製品化できるのが大麻。
お金の時代の石油化学文明からは目の上のたんこぶとされ、20世紀のわずかな期間だけ完全に人類の歴史から封印されているだけ。
戦後、GHQによって大麻取締法が制定され、70年以上かけて国民は洗脳され、今では日本人の99%以上が悪いものという認識を持っている。
歴史的には10万年以上も前から大麻は生活の中で活用されてきた。
その世界最古の大麻文明をもつのが日本である。
大麻は病気に強いため農薬がいらず、やせた土地でもそだつので肥料もいらず、栽培がとても楽、三か月あれば3mから5mに成長する。
その間多くの二酸化炭素を取り込み酸素を放出する天然の空気清浄機。さらに地下では急速に根を広げて土壌改良までしてくれるので栽培するほど環境がクリーンになる。
一口に麻薬といっても数千種類も品種があり、合成大麻や品種改良されて薬効成分が濃縮されたものと日本に古来自生している天然の大麻はタイプが違う。
大麻を使った衣服の製造は日本では「さとううさぶろう」さんらが担っている。



大麻が代替できる製品としては以下のものがあげられる。
紙:繊維を使う

ヨーロッパ全土の約12%の土地を大麻栽培とすると全世界の紙が賄えて、森林を伐採する必要がなくなるとの説も。
建材:茎、繊維を使う

ヘンプボード、断熱材、屋根、漆喰の素材になる。シンクハウスや人体に有害な環境ホルモンを出さない。

全てのプラスチック製品、車のボディ、燃料になる。
ヘンププラスチックは土に還すこともできる。
メルセデスベンツが車のボディ、内装材として使用。従来車と比べて重量は3分の1、強度は10倍。
種子や茎から絞った油は燃料になる。
美容・健康食品:種(オイル)、パウダー(炭)、麻の実(ナッツ) 、繊維を使う
必須アミノ酸、食物繊維、ミネラルが豊富。タンパク質も豊富で、スーパーフードとして注目されている。
衣料品、靴、寝具:繊維を使う
保湿性、速乾性、熱の伝導性が高い。
抗菌性に優れ、雑菌の繁殖を防ぎ、消臭効果も。
強靭で長期間使用できる。
治療薬:穂(花弁)を使う(カンナビノイド成分)
250以上の疾患に有効。
詳しくはこちら
気付いたこと
仙台に生まれてどういう人生を歩んで八ヶ岳で今の生活を始めようと思ったのか。そこには様々な経験から得たものがかかわっていることが一文一文から感じ取れました。
一人一人が孤立して生きているような現代にようやく光が差し始めた、そんな感じがします。調和の世界、いいですよね。
日本には言ってみれば47の大きなコミュニティがすでにあるわけで、既存の自治体が率先してやることで解決できることは沢山あると思います。
循環型社会に関するアイディアや実践がすばらしく、中でもあ・うんユニット、バクチャーは将来取り入れたいですね。
実はバクチャーはもう取り入れ済みで、バクチャートイレとバクチャー植物、ばらまくチャーと仲良くさせてもらっています。
トイレの貯水タンクがきれいになったり、植物が元気に育ってくれたり、自分の流した水が活性水としてスイスの川に流れてくれると思うとうれしいです。
バクチャー植物
お手洗いにバクチャー
前のお家のトイレタンクのなかが綺麗になりました!
またこれからは麻の時代が来ると感じています。
先進国が次々と脱炭素社会宣言をするなかアパレル業界ではすでに麻がトレンドになっています。
5万種類の製品を作れるというのは驚きました。(服とか袋だけと思っていました。)
こうなってくるとプラスチックは本当に不要になる日が来るかもしれません。
こんな便利な植物があったら石油製品が売れなくなり、拝金主義がなくなり、環境も汚染されないので、困る人は栽培を禁止しますよね。
でももうそんな時代は終わりそうですね。
麻には不思議な力があるらしく、原爆が落ちた際も麻の服を着ていた人は被ばくを逃れたのだとか。
あと昔から日本では、神前に出る際は麻の服飾を身に着けることからも麻は重要な役割を果たすことがはっきりわかりますね。
また、微生物ちゃんたちの力を借りると放射能汚染された土壌も改善されるデータがあります。
そんな簡単に浄化されたらお金が回らなくなるので政府はそんなことを推奨しませんが・・
南相馬市や那須塩原市では何十年も待たないと人は住めないといわれていた場所にEM(有用微生物群)を散布したところ、約半年で正常値に戻りまた住めるようになったそうです。よかったですね。
詳しくは白鳥哲監督作品の「蘇生」をご覧ください。
白鳥監督もすんばらしい方なのでいずれご紹介したいと思います。
これは微生物ちゃんが放射線を放つ原子を原子転換してカリウムやナトリウム、マグネシウムにしてしまう、つまり農業に有用な土地に変えてくれるからだそうです。