現人類の社会体制、「大きいが強い」「貨幣主義経済」「石油経済」etc. ではすべての人が幸せになることはない。
全ての人が幸福になる方法。それは皆が百姓に戻ること。
つまり、皆が自給自足の生活に戻ることである。
自給自足の生活に戻ることで、多くの問題が解決できる。
著者のプロフィール
伯宮 幸明(たかみや さちあき)
滋賀県の里山に住む。地域に住む仲間とローカルネットワークを立ち上げ、ゆるい新しい形のコミュニティづくりを目指している。
本の概要
関東大震災が起きた。
建物は倒壊し、そこら中から煙が上がっている。
災害一週間たっても日本政府の記者会見はない。
何かがおかしい。
この大地震の前に日米の経済が破綻していたのだ。
それを知る官僚は外国に逃亡。
紙幣が意味をなさなくった。
首相は地震で死去。
日本は無政府国家になった。
ケンとかおりは何とか生き延びたものの、人々が食料を求め店舗を襲い、農家から盗み
、日に日に暴徒化そして武装をするのを見た。
生き延びるためには食料がある田舎に行くしかない。
ケンは30年前にイギリスで知り合い意気投合した親友、隆を思い出す。
やっとの思いでケンたちは隆のもとへ到着。
そこは隆が百姓ビレッジと名付け、発展させた場所で、半農半X、自給自足していた。
しかし、そこには既に500人以上の人が来ていた。
隆は言う「このような日のために準備してきた。救うことはできる。だが全員は無理だ。」
ゲルやドームハウスを急遽建て、何世帯かが同居する形で1年の猶予はできた。
その間に誰がその村に残るに相応しいか試験するというが。
本の要点
農業が全ての産業の縮図であり、自給自足の生活に戻ることで多くの問題が解決する。
そして誰もが幸せになれる。
競争社会、石油依存社会で成功するのは20%。それは経営者。
その他80%は搾取され続ける。
これで得をするのは力がある人間だけ。
このシステムを維持するために皮肉にも我々は毎日一生懸命に働いている。
競争して何になる?
世界で一番足が速い人を決めて何になる?
この競争主義は衣食住すべてに関わっている。
その人(会社)にどれだけの人が協力して、お金をかけて、サポートしたかの結果でしかない。
勝つまでにそれだけのパワーに恵まれるかが決め手。(実力ももちろん必要だが)
実生活では世界一足が速くたって役に立たないのに。
だから、今の世界は本当に質が高く、価値があるものが認められることは少ない。
この悪循環は「大きいことはいいことだ」という概念をメディアに植え付けられた結果。
経済のグローバル化も石油に支えられたシステムで、莫大なエネルギーを使っている。
自給自足しないことは食べ物を他から買っていることで、搾取システムをを支持していることになる。
自給自足をすることで循環型生活になりエネルギー量を極端に減らすことができる。
オススメのひと
- 今の社会体系はおかしいと思いながらも何から手を付ければ良いかわからない人
- 搾取システムから出たい人
- 人を搾取したくない人
- 循環型社会に興味がある人
- ローカリゼーションに興味がある人
- ヴィーガンやベジタリアンを綺麗ごとだと思っている人
筆者は自ら里山生活をしており、自らの経験も織り交ぜた小説になっているため臨場感があり、自給自足の難しさ、尊さ、楽しさがひしひしと伝わってきました。
著者の伯宮さんに限らず、滝沢泰平さん、白鳥哲さん、杉山孔太さんなど似た思想を持った方の露出が目立ってきたのは時代の流れと言えると思います。
結論
全ての人が幸福になる方法。それは皆が百姓に戻ること。
つまり、皆が自給自足の生活に戻ることである。
自給自足の生活に戻ることで、多くの問題が解決できる。
非常に面白い本でおすすめです!
小説なので一気に読んでしまいました。
最後まで読んでいただき有り難うございました。
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