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スイスで博士号を取得したScientistの徒然なるひとり言

<ChatGPTs> 生成AIでFT-IRなどのスペクトルジェネレーターを作成した件

最近、生成AIがますます注目を集めていますが、理系の仕事においてもその利便性を実感しています。研究開発職の私の場合、暗黙知では及ばない分野における最も効率の良い実験の仕方や測定方法の相談にもAIに手伝ってもらっています。(サムネはAIに作ってもらいました。)

本記事では初手の初手として、現在生成AIを使用したことがない方々にも、こんなことでも自動化できるとかなり業務の時間が他のことに使えるようになりますよって話をします。

この記事を読むべき人
- 理系の研究者や技術者で、データ解析を効率化したい方
- 生成AIに興味があり、具体的な活用方法を知りたい方
- ChatGPTなどのAIツールを業務に取り入れたいと考えている方

生成AIと共生せずにはいられない現代

現代において、AIは私たちの生活や仕事の一部となりつつあります。

何気なく家に置いてあるアレクサだって、Youtubeのおすすめ動画だってAIによって分析され、人間の生活が豊かになるように手伝ってくれているわけです。

AIによって仕事が奪われるという情報を見聞きすることもありますが、個人的には、自動化できたり、AIができる仕事はAIにやってもらって、人間は他の創造的な仕事に時間を充てるようになるだろうと思っています。

つまり、「人間vs AI」ではなく「人間×AIで課題解決」がこれからの主流になるかと。

実際様々な分野、現場でAIは確実に課題解決のハードルを極端に低くしてくれています。本記事では、特に理系の現場でのデータ解析の効率化をAIによって行なっている例を紹介したいと思います。

超絶優秀な部下がついた感じ

生成AIを活用することで、まるで超絶優秀な部下がついたかのような感覚を味わえます。

例えば、私は業務上FT-IRやGPCの解析を毎日のように行うのですが、従来はCSVファイルのデータを一つのシートにまとめ、それぞれノーマライズしてスペクトルをエクセルで生成するということをしておりました。生成AIを使うと複数のデータを選択するだけでスペクトルを秒で生成することができます。

しかも全て私の好みや要望をモリモリで盛り込んでくれているスペクトルを。

ChatGPTとは?

私が一緒に働いているのはChatGPTという生成AIです。

OpenAI社が開発した高度な自然言語処理モデルで、世界中の論文や記事などの大規模なデータセットを元にトレーニング(機械学習)され、人間のように文章を理解し、生成する能力を持っています。

ChatGPTは、多岐にわたる用途に対応でき、質問への回答、文章の生成、会話のサポート、翻訳、コードの生成など、さまざまなタスクをこなすことができます。

特徴

- 自然な会話: ChatGPTは、まるで人間と話しているかのような自然な対話を提供します。確率的に高い””次に来る言葉””を並べているだけなのですが、自然な対話を提供してくれます。それだけ機械学習されているということですね。

- 多用途性: 質問応答、文章作成、アイデアブレインストーミングなど、多くの用途で活用できます。
- カスタマイズ可能: 特定のニーズや業界に合わせてカスタマイズ可能で、個々の要求に柔軟に対応します。

具体的な活用例

- カスタマーサポート: 自動応答システムとして、顧客からの質問に迅速に回答。
- コンテンツ生成: ブログ記事、マーケティング資料、報告書などの作成支援。
- 教育: 学習支援ツールとして、質問に答えたり、説明を行ったりすることで学習をサポート。

最近では人間と話しているようなスピード感で会話ができるモデル(GPT-4o)が出て、英会話業界の株が下がったことからも影響力が大きいことを伺えます。

ChatGPTは、効率的な業務遂行を支援する強力なツールであり、現代の仕事環境においてその活用がますます広がっています。

私が使っているGPTsの一例

ChatGPTにはプロンプトという命令文を打ち込むことで、こちらが働いて欲しいように指示することができます。ただ、毎回同じプロンプトを打つのはコピペだとしても面倒なので、GPTsというカスタマイズされたもの(プロンプトを構成要素に組み込み覚えさせる)を使ったほうが大変便利です。

私の場合、例えば、ChatGPTを活用して複数のCSVファイルを一気に一つのシートにまとめ、ノーマライズまでしてスペクトルを生成するGPTsを作成しました。これにより、生データを得てからわずか10秒以下ででスペクトルが完成するという驚異的な効率化を実現しています。

参考までに私がFT-IRのスペクトルジェネレーターの構成要素に打ち込んでいるプロンプトを以下に示します。こんなに簡単なプロンプトで一気にスペクトルを表示してくれます。ご参考ください。

私は複数のファイルをアップロードするので以下の要件1〜3を順に満たしてください。

##要件1
・複数のCSVファイルを1つのエクセルシートに統合してください。
・それぞれのデータセットは2列ずつ使い、最上行にデータセットの名称を入れてください。
1. **操作の内容**:
   - データの統合方法:1つのシートに統合
   - 列の構成や必要なヘッダー:2列ずつ使い、最上行に名称を入れる
2. **ファイルの詳細**:
   - アップロードされたファイル名を参照して具体的に説明
3. **出力の要件**:
   - 出力ファイルの形式やその他の特定の要件:エクセルファイル

##要件2
・データのCol1をx軸、Col2をy軸としてグラフにする
・x軸に用いるCol1は複数あるcol1のうち一つのみを共通に適用する
・横軸をwavenumber (cm-1),縦軸を%Tとする
・タイトルは削除する
・Y軸でノーマライズする
・グラフを上下と左右でそれぞれ反転させる
・おしゃれな色を使う
・グラフの背景の点線は削除する
・グラフは点の連続ではなく、実線で美しいものする。
・”””グラフを出力”””

##要件3
・私にwavenumber (cm-1)をどの範囲に限定するか聞いてください。

##手順などの説明は一切しなくて結構です##

"""焦らなくていいので、本当に要件を満たしているかきちんと確かめてください。そして自信を持って仕事をしてください"""

勉強方法

生成AIは勉強しておいて本当に無駄にならない分野だと思います。

何せ他の事に時間を使えるようになりますし、創造性が求められる仕事もAIに手伝ってもらいながらやるとハードルが下がって、すぐに終わります。

私がGPTを使うために行った勉強方法について紹介します。

まずはUdemyで関連する動画を視聴し、その後は関連書籍を読んで知識を深めました。

そして、実際に業務で使ってみることで、実践的なスキルを身につけていきました。

最初はいなかつさんの動画でChatGPTがどんなものなのか学んで、次に飯塚さんの動画でプロンプトエンジニアリングについて学ぶとスムーズに学習を進められると思います。

www.udemy.com

www.udemy.com

またおすすめの書籍は次の2冊です。実際に使えそうなプロンプトが多く掲載されており勉強になります。

 

注意点

注意すべき点も勿論あります。

前述したように、ChatGPTは””次に来る確率の高い単語””を並べているだけなので、間違った答えを出すこともあります。(ハルシネーションと言います)。

そのため重要な内容のものはきちんと確認して回答を使用することが鉄則です。

また、ChatGPTはユーザーが打ち込んだ内容からも機械学習しているので具体的な名称や個人情報は含めないように注意しましょう。

学習させない設定もありますが、個人的な情報は打ち込まないのが一番安全です。

まとめ

ChatGPTを活用した仕事ができるようになると効率を飛躍的に向上させてくれます。

現場での生成AIの活用は、今後ますます重要になってくるでしょう。

私の経験が少しでも参考になれば幸いです。

生成AIと共生することで、これからの業務がさらに効率的で快適になることを期待しています。

 

追記 (20240627)

本記事のプロンプトにさらに改良を加えて、ユーザーの負担を最小限まで減らしたGPTsを作成しました。FT-IR用とGPC用を以下に添付いたしました。

下のリンクをクリックしていただくか、GPTストアにて検索すれば出てきますので、効率化を目指す方はぜひご使用ください。

chatgpt.com

chatgpt.com

CSVファイルをアップロードするだけで、一つのシートへの統合とスペクトルの作成を行なってくれます。

もし、こんな要望にも答えてくれないかなぁと感じた方はコメント欄よりお知らせくださいませ。

 

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