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スイスで博士号を取得したScientistの徒然なるひとり言

博士課程一報目が出ました。

こんにちは。

バーゼルに来て1年と4か月。

その間コロナによる大学からの閉めだしもありましたが、今月、博士課程に進学してから
一報目となる論文がパブリッシュされました。

とはいっても研究成果ではなく、総説(review)です。

「キラル配位子を用いたPd(0)触媒によるエナンチオ選択的C-H活性化」についてです。

事の発端は3月の中旬。

コロナにより在宅勤務が始まった頃でした。

当時一年生であった3人に対し、ボスからメールがあり、こういうテーマでレビューを書こうという旨でした。

在宅勤務がいつまで続くかわからず、しかし最低でも3か月はまともにラボワークができない予測だったので、ボスは気をまわして一年生のうちにレビューでもいいから一報ださせ、その過程で様々な論文に触れさせたかったのでしょう。


三人で手分けしてそれぞれがいくつかの章を担当することにしました。

まず、具体的にはイントロ、結論、単座配位子、多座配位子、キラルカルボン酸などで大体に分けて、組み込める論文を探し出し、まとめて、図と本文を書いていついつまでに出すという作業を始めました。


直近20年内で、レビューのテーマに関連する論文は全て含めるようにとボスからの指示があったのでScifinder, Reaxy, Google scholarなど、あとは雑誌のホームページで表示される関連した論文などを読み漁り、形にまとめ3人で会議し、修正して、加筆しまた会議を繰り返しました。

全体として一応形になったものをボスに見てもらい、また修正、加筆をしました。

やはり20年間というと膨大な論文があるもんですね。

最後は120くらいの引用論文数になりました。

そのあとどのジャーナルに出すかを選択し、提案書をボスが送り、オッケーが出て、ようやくエディターに送りました。

その間にフロントピースのための人目を惹く画像づくりをしました。

今回はPdを命名したのはAthenaであることから彼女の像の画像に様々なキラルリガンドと生成物を載せました。


レビューなので顔写真と簡単なプロフィールも載っています。

これらは初体験で楽しかったです。


キラルなリガンドとその反応例を俯瞰して見られると思うので必要な方、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

研究成果も近いうちに出そうなのでお楽しみに。

では。